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固定方法について

1.固定とは?

傷ついた組織の修復を助けるために患部を動かさないようにするためのものです。

部位やケガの程度によって固定の種類や仕方がことなります。

捻挫や骨折以外にも五十肩やぎっくり腰にも利用され、巻き方によっては痛みがその場でなくなるほどの効果もあります。

2.固定の種類と対象となる症状

固定には様々な種類があります。当院で行う固定の種類と症状について解説します。

2-1.包帯固定

包帯には主に創傷部の保護、脱臼や骨折部などの不安定な部分の固定、捻挫の再受傷の予防などの効果があります。

包帯の種類も様々で、巻軸包帯・伸縮包帯・弾性包帯・弾力包帯・ネットなどが多く使用されています。

 

当院では主に巻軸包帯・弾性包帯を使用します。

 

包帯の適応症状

・関節の捻挫(主に足・膝・手首など)

・母指の腱鞘炎

などに使用します。

2-2.テーピング固定

テーピングにも包帯同様、伸縮性に富んだものや全く伸縮性のないものがあります。

中には筋肉のサポートをしてくれるテーピングもあります。

目的としては、関節部の固定や筋肉のサポートがメインとなります。

 

テーピングの適応症状

・関節の捻挫(特に足・膝・手首など)

・腱炎・腱鞘炎(手首やアキレス)

・筋肉のサポート(主に肩や太ももなど)

2-3.晒(さらし)固定

漂白した糸でできた織物のことを言い、手ぬぐいや腹帯として使用されます。

我々柔道整復では晒をもとにした包帯で関節の固定などを行うことがあります。

通常販売されている巻軸包帯よりもフィット感が高く、固定力も強いです。

そのフィット感から足関節や膝関節が不安定なひとやズレやすいひとには晒で固定することで、

関節のずれの調整を行ってくれます。

 

晒固定はぎっくり腰にも使用でき、一般販売されているコルセットなどよりも体型に合わせて巻けるため、

固定力が強いです。

その反面毎日朝に巻きなおさないといけないという手間もあるため、症状の強い初期にのみ使うことが多いです。

 

晒固定の適応症状

・包帯として使用

・ぎっくり腰(急性期)

・関節のズレの調整

2-4.三角巾

包帯の一種で、主に腕の骨折や脱臼時に負荷がかからないように吊り下げるものです。

他にも足関節を固定することもできます。

当院では、五十肩の急性期の方に使うことが多いです。

 

最近では取り外ししやすくおしゃれな三角巾サポーターもあり、当院でもそちらを使用しています。

 

三角巾の適応症状

・肩関節の捻挫

・五十肩

・石灰沈着性肩関節炎

・上肢の骨折や脱臼の応急処置