当院ではむくみの治療(リンパ浮腫や廃用性浮腫)も行っております。
軽くマッサージするだけでなく、弾性包帯などで圧迫をしながら運動療法を行います。
また、患者さん自身が自ら施術できるように包帯の巻き方指導も行っております。
1.むくみ(浮腫)について
人間の体の60~70%は水分であり、それらの循環を担うのは各種の臓器、臓器へと繋がる経路(血管やリンパ)、ホルモンや電解質など様々な要素が関係しています。
これらのいずれかに異常が起こることで、全身または体の一部分にむくみが起こります。
多くの浮腫みはその原因となる病気の治療に主軸が置かれます。
その中には原因となる病気が治せないものや原因不明の病気によって浮腫みと付き合いながら日常生活を過ごされている方も少なくありません。
患者さん自身がむくみの対処をせざる負えないこともあり、患者さんの負担になることが多いです。
1-1.受診する前にやってほしいこと
来院される前にご自身で出来ることはやってみましょう。
現在推奨されている治療方法をご紹介します。
・スキンケア
浮腫のある部位は皮膚が弱くなり感染を起こしやすい状態にあります。
悪化を防ぐためにも保湿剤(使い慣れたもの)などでのケアはこまめにしましょう。
・衣服・装飾品
締め付けの強い衣服や装飾品は控えましょう。
・リンパマッサージ(用手的ドレナージ)
病院などで推奨されたマッサージを行ってください。
※脇の下のリンパ節郭清後の場合、
まず浮腫のない方の脇を軽くマッサージしたり肩甲骨を動かす体操をします。
その次に手先・足先から体幹部→健側の脇に向かってマッサージを行います。
※強く圧迫すると皮膚を傷めることがあります。
・圧迫療法
医療用のストッキングでマッサージで軽減した浮腫の維持を行います。
・運動
運動は体の循環を促してくれる最も効率の良い方法です。
患者さんが好きな運動や散歩、ジョギングなど楽しくできるものが良いです。
2.施術対象
2-1.施術の対象となる方
むくみの治療の対象となる方
・慢性的なむくみ(半年以上経つむくみ)
・手足のむくみ
・ご自身でセルフケアを指示されているけどあまり効果のない場合
・車いすを長期間使用していて足が浮腫んでいる(廃用性浮腫)
などが対象となっています。
2-2.施術の対象とならない方
・急性炎症(ここ数日むくみが急に悪化し痛みがある)
・心不全などの心臓の疾患を現在治療中である
・がんの治療を行っている(主治医からの許可を得ている場合を除く)
・静脈血栓の治療を行っている
以上の項目に該当する方はこれらの病気を悪化させる可能性があるため施術をお断りしています。
3.施術内容
3-1.施術の流れ
当院で行う浮腫に対する施術は用手的ドレナージと言って、通常のマッサージではなく浮腫に特化したマッサージや圧迫、運動を行い浮腫みを取り除いていきます。
さらに前処置として関節の動きの悪さから生じる循環障害も施術します。
1.問診
↓
2.前処置(AKA療法・健側の運動など)
↓
3.圧迫下での運動療法
↓
4.セルフケアの指導
↓
5.次回のご予約
3-2.むくみに対する施術例
廃用性浮腫の患者さん
70代女性
住居型介護老人ホームで、車いすに長期間乗っているため浮腫が悪化。
足関節や膝関節が動かしにくく立つのが維持できない。
【施術内容】
腰部~骨盤~股関節の関節治療、
圧迫下での足関節運動
4.施術料金
・施術料金:
10分1000円
セルフケア指導(初回のみ)1000円
・時間の目安:
足先~足関節、足関節~ふくらはぎ、膝~ふともも、手先~肘、肘~肩
一部位およそ10分が目安となります。
・セルフケア指導:
必要なもの伸縮性の包帯やバンテージ
・治療期間の目安
浮腫の程度をみながら施術期間を決めます。
おおよそ週に1~2回で、セルフケアで浮腫が軽減した状態を維持できる場合は回数を減らしていきます。
コメントをお書きください